セキュリティコラム

暗号の基礎Column vol.2

暗号の性質

1993年のCICLOCK販売開始から長きに渡り、クレジットカード業界を始めとした各業界を支えてきた、情報漏洩対策・暗号化ソフトのプロが綴るセキュリティコラム。

暗号の性質を学ぶことで、現代のファイル暗号化技術やデータ暗号化技術の基本を学ぶことができます。

暗号の性質

第1回セキュリティコラムでご紹介したシーザー暗号の例から、次のような性質が読み取れます。

性質1

平文の内容と鍵を変えなければ、暗号文の内容は常に同じになる。たとえば、平文ibmを鍵1で暗号化すれば、暗号文は常にHALとなる。

性質2

平文の内容が同じでも、鍵を変えれば暗号文は変わる。たとえば、平文ibmを鍵1、2、3・・・で暗号化すれば(つまりシフトする文字数を変えていけば)、暗号文は下表のように変化していく。

平文 暗号文
ibm 1 HAL
ibm 2 GZK
ibm 3 FYJ
ibm 4 EXI
ibm 5 DWH

性質3

暗号アルゴリズムと鍵が分かれば復号は容易である。逆に、分からなければ解読は困難である。(もっとも、この程度の暗号化であれば容易に解読されます)

性質4

暗号アルゴリズムさえ分かっていれば、たとえ鍵が分からなくても、いつかは解読できる。たとえば、暗号文が何文字シフトされているかを知らなくても、暗号文を1文字ずつ右シフトしていけば、いつかは正解ibmにたどり着く。

性質5

暗号化する時と復号する時では同じ鍵を使用する。もし異なる鍵を使用したら、元どおりには戻らない。たとえば、暗号文HALを鍵2で復号したら、jcnとなり、ibmには戻らない。

現代の暗号化技術

これらの性質は基本的に現代の暗号にも通じるものです。ただし、暗号アルゴリズムによっては、平文の内容と鍵を変えなくても、暗号化するたびに暗号文の内容が変わる場合があります。

また、公開鍵暗号方式と呼ばれる暗号アルゴリズムでは、暗号化時と復号時で異なる鍵を使用します。

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